電子工作の知恵袋

 
 

 

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電子工作の知恵袋


作動しない・動かない理由


    本項は、エンジニア永遠の課題というか、作った本人にすれば困る問題No.1の「作動しない・動かない」です。

    電子工作にしろ、企業プロにしろ「あれ?」という瞬間は何度も経験していると思います。

    かくいう筆者も30年のエンジニア生活の中で、冷や汗が何回も・・・・・。

    「ちゃんと設計したのに動かない」「取り扱い説明書通りに組み立てたのに動かない」「昨日まで動いていたのに今日は動かない」

    数え上げればいくらでも、そういう場面はあるのではないでしょうか。

    こういうトラブルをいくつ経験したかで、エンジニアの質は決まるというようなことを、昔の人はいったような言わないような。

     

    今回は、よくある「作動しない・動かない」の原因に重点をあててみたいと思います。

     

     

     


     

     

    「取り扱い説明書通りに接続したのに動かない!」

     

    まずは、お約束のトラブルです。

    この作動しない・動かないは、電子工作キットなどを、「さぁ作ったぞ。動かしてみよう」と期待に胸ふくらませて?電源を投入・・・・・・しかし、待てど暮らせどウンともスンとも言わないという、きわめてガッカリな問題です。

     

      「説明書通りに配線したのに動かない」

      「キットの部品表と実体配線図を見て半田付けしたのに動かない」

     

    いくら配線を見直しても、いくら部品をにらんでもどうにもならない。

    最後は「最初から壊れていたのではないか」「メーカーの説明書がおかしいのでは?」と他人のせいにしてしまいたくなります。

    中には、まれに本当にメーカーが悪いというか説明不足なこともありますが、極めてまれなケースを除けば、(本人にすれば到底考えたくないことですが)ほぼ100%自分側に原因があります

     

     

    原因1:配線間違い

     

    半田付け不良と双璧をなす不具合の大きな原因の一つが配線間違いです。
    仕様書に沿って配線されていないものが正常に動作するはずもないので、当たり前といえば当たり前のことなのですが、知識経験によって差はあるものの、かなりの頻度でこの配線間違いを起こします。
    気を付けているつもりでも、仕様書の解釈・知識不足やうっかりミスなどで案外間違えるものです。
    ところで、作動しないの原因で、実は配線ミスが原因で他の作動不良の原因を作ってしまうことがあります。
    それは、配線ミスに気づかずに電源を入れることです。
    配線ミスしたまま電源を投入すると、機器によっては内部回路の発熱・発火・発煙・破壊・損傷や劣化をおこしてしまうことがあります。
    例えば、電源の+と−を間違えた(電池をセットする向きを間違えたも含む)など、電源系の配線を間違えて配線すると、発熱や内部回路の永久的な損傷などを起こす確率が高くなります。(特に部品・基板系)
    配線間違いが原因の新たな不具合の発生には以下のようなものがあります。

     ・電子キットや基板系のモジュールなどを配線する
     ・見直しを行わず(または不十分)電源を投入する
     ・作動しない、発熱するなどの問題が起こり電源をオフにする(この段階で永続的な損傷が内部に発生)
     ・配線ミスを発見し、修正する
     ・電源を投入するがすでに内部回路が損傷しており正常作動しない

    配線間違いは何度も見直せば間違いを見つけることが可能なので、作りっぱなしにせず仕様書と同じなのかどうか配線を見直す癖をつけましょう。

     

     

    原因2:半田付け不良

     

    初心者の方は(時々中上級者も)、圧倒的にこれが多いようです。

    企業に在籍する方でも素人同然の方もいるので、そういう方はよく起こしてしまいます。

    特に、電子工作などの自分で組み立てるキット品は、手半田を行うので、それなりの半田付け技量がないと、まず間違いなく半田付け不良を起こします。

    世の中、電子工作キットが花盛りですが半田付けの訓練をしないでいきなりキット品に挑戦というのは、まず失敗する確率が高くなります。(たぶん、100%近く失敗します)

    手半田付けというのは簡単そうに見えます。

    しかし、実はかなり難しい部類の技能にはいるため、経験の浅い方が半田付けをすると、部品がしっかりとパターンに接続されていないや、熱を部品にかけすぎて部品が劣化してしまっているなどの問題をよく起こしてしまいます。

    中には、見かけですぐわかる半田付け不良ではない中上級者でも起こしてしまう半田付け不良もあります。
    下の写真は見る限りでは多少形がいびつですがしっかりと半田付けされているように見えます。

      


    実は、この写真はオープン不良と呼ぶ半田付け不良の写真です。
    見かけ上は、半田が基板のパターンとしっかり溶着・導通しているように見えますが、テスターで測ると絶縁状態となっています。
    これは、この部分の基盤パターンが広く熱が逃げやすいため、半田こての熱が逃げてしまい半田を溶かす温度まで上がっていないことが原因です。
    そのため酸化物などの不純物がパターンと半田間にできてしまい非導通もしくは半導通などの状態となっているものです。
    この不良は、パターン以外にもコネクタや太い電線を使ったときなど熱が上がりにくい・逃げやすい場合に頻繁に起こります。
    見かけ上は、半田付けに問題がないようにみえるため、よく見過ごされてしまいます。
    理由のわからない作動不良の大きな原因の一つです。

     
    当店に故障では?とご連絡いただいた方の多くがこのパターンです。
    返却されたものを確認すると、配線間違いで部品が破損していたや半田付け不良ばかりという結果でした。

     

     


    原因3:思い込み・勘違い

     

    これは思ったより多いのです。
    特に多少なりとも腕に覚えのある方や経験のある方が、陥りやすい原因です。

    思い込みというのは恐ろしいもので、「何度も見直したから配線は絶対まちがいない」「今までこうだったから今回も同じはず」とか「リボンケーブルだから色はこの順番のはず」「フォトトランジスタは見た目LEDと同じだから極性もおなじだろう」などと、思い込む要素には事欠きません。

    多そうなのは、以下のようなものでしょうか。

     

      (1)順番や数え間違い(コネクタの1番端子間違いや端子の番号振り分け等々)

      (2)色(リボンケーブルの色等々)

      (3)極性(電池、電源、ダイオード、LED、IC等々)を間違える

      (4)自分が配線を間違えているはずがないと思う(何度も配線チェックをした)

      (5)きちんと半田付けした(ように見える)

     

    項目を見ると素人が起こしそうな間違いばかりです。
    しかし、こういう間違いは、実は何も知らない初心者より、それなりの経験を持つ方に多く発生する傾向があります。
    過去の経験や自分の腕に自信を持つことは、問題解決に役立つことが多いのですが、それが思い込みとなってしまうと、正しい判断や正しい確認ができなくなってしまいます



      

    原因4:使う環境

     

    何事にも仕様というか使える範囲というものが決まっています。

    温度などは、その最たるもので、0〜40度Cまでしか使えないものもあれば、−40〜+120度Cまで使えるものもあります。

    この温度範囲内では動きますが、範囲以外では、うまく動きませんというものです。

    たとえば0〜40度Cまでしか使えないのに、真夏の窓を閉め切った車の中で作動させようというのは無理があります。

    これは、使う電子部品や装置の仕様をよく理解しないで(気にしないで)使用すると起きやすい問題です。

    電子工作などには、よくある例です。

    他にもいくつかあげておきます。

     

    (1)温度

      上記でも述べましたが、部品には使用できる温度範囲というものが決まっています。

      電子工作用やキットで販売されている部品は、企業で使うものに比べて温度範囲の狭いものがほとんどです。 電子工作用部品は常温で使用するというのが基本で、低温や高温で使用したい場合は、性能を保障している部品を探しましょう。

     

    (2)結露

      湿度が上がってきたり、温度の低い場所にあったものを急に温度の高い場所に置いたりすると水滴が部品につくことが多々あります。

      結露すると、端子が水で短絡したりし、回路の定数が変わって作動しなくなります。

      最悪の場合は、作動異常を起こして思いもよらない動きを引き起こすこともあります。

      また、水がPCBの銅はくや端子などの金属を腐食させたり、部品の内部に侵入して性能を劣化させたりします。

      もちろん、屋外に防水対策をせずに、そのままの状態で置くなどは論外です。

     

    (3)日光

      耐光性ともいいます。日光に含まれる紫外線などが長期間あたると、表面が変色したりボロボロになったりします。

     

    (4)振動

      基本は静止環境です。

      どんなものでも、常に振動がかかっているような状態だといつかは破損してしまいます。

      車など振動の激しい場所で使用する場合は、半田付けをした部分や、揺れやすい部品が壊れてしまいます。

      良くあるのは、電線を半田付けした部分が振動でちぎれてしまうというようなことです。

      振動のかかる部品は、結束・ねじ止め・ホットメルトなどでしっかりと固定しましょう。

     

    (5)絶縁

      ケースに入れずに基板が露出したままで使用すると、なにかの拍子に異物が接触して短絡したり壊れることが多くなります。

      AC100Vなどを使用する電力系の電子工作の場合は、火事なども考えられますので必ずケースにいれましょう。

      また、電線同士をつないだ部分なども、金属部分が露出したままにならないよう、しっかりとビニールテープなどで巻いておきます。

     

    (6)静電気

      湿度が50%近くにまで下がると夏でも危険です。

      帯電したまま露出している部品に触れると静電気で、部品をこわしてしまうことがあります。

      特に最近の高密度ICやMOS型のFETと呼ばれる半導体は簡単に壊れるので、そういう電子部品を扱う時は、必ず先に自分の静電気を放電してから触れる必要があります。

     

    (7)出力負荷や入力の電圧(仕様オーバーの負荷、低すぎる電圧、足りない電流等)

      よくあるのは、電源電圧が低すぎた、あるは逆に高すぎて回路の作動条件を満たさないなどです。

      また、電流が必要な電子工作では、安定化電源等が負荷オーバーになってしまい定格電圧を出力しないこともあります。

      もちろん、負荷が要求する電圧・電流を駆動できない場合は論外です。

      多少電圧や電流がオーバーするけど大丈夫だろうなどと考えて使用すると火を噴くこともありますので、定格は絶対守るようにしましょう。

     

 

     

    さて、いろいろと主なものと思うものを書いてみました。

    細かいことはもっといろいろあるとは思いますが、外力で壊れていないのであれば、要は動かない理由はただ一つ。

     

     

    想定された仕様の範囲内で

    組み立て・使っていない

     

      

    部品や装置を疑う前に、本当に正しい組立・使い方なのかをよく確認しましょう。



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