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オペアンプの基本 その3 

反転増幅

 

    本章では、オペアンプの回路構成の一つ反転増幅器について説明します。



    3.反転増幅器 − オペアンプの基本的な回路 −

     

    ここではオペアンプの最も代表的な応用回路ある反転増幅器についてお話します。

    反転増幅器は入力電圧と出力電圧の極性が逆になる、言い換えると入力電圧に対して出力電圧が増幅倍されて反転することからこのように名付けられています。

     

    3.1.オペアンプの動作領域

     

    オペアンプが電源電圧付近まで振り切っていない範囲を能動領域、または動作領域の範囲と言っています。

    この領域の範囲内では出力電圧が入力電圧によって変化します。

    電源電圧付近まで振り切っている場合を飽和領域と呼んでいます。飽和領域では入力電圧を少し位変化させても出力電圧は変わりません。

     


     

     

    電源電圧付近と言っていますが、オペアンプは電源電圧を超えて動作出来ませんし、プラス側及びマイナス側ともに通常は電源電圧より少し内側までしか電圧を出力することが出来ません。汎用品では プラス電源側で 1.5V、マイナス電源側で 0.5V 程度内側になりますが、フルスィング出力とうたっているものもあります。

    どの程度内側までしか使えないかはメーカーのデータシートに記載されています。

     

     

    3.2.反転増幅器の動作原理

     

    反転増幅器の回路を 図3−2 に示します。

     

     

     

    オペアンプを飽和領域で使うと増幅器として動作しませんので能動領域の範囲内で使います。

    オペアンプの出力が能動領域にある場合は 図3−2 のViは 0V と見なすことができます。

    例えば、Eo=5V の場合は Vi=5V÷10万倍=0.05mV となって、ほとんど 0V と言っても問題ありません。即ち、「+」端子と「−」端子は同じ電圧であると言えます。

    反転増幅器の場合は「+」端子を接地します(グランドに接続する)ので「−」端子はグランドと同じ電圧になることから、仮想接地と呼んでいます。

     

    次に 図3−2 の増幅回路としての動作を説明します。

    Viは既に説明しましたが 0V ですので R1に流れる電流 I1は

     

     

    となります。

    また、入力端子のインピーダンスは非常に大きいので、この電流は全て R2 に流れます。即ち、

     

     

    となるように出力電圧 Eo が動作します。これを式で表すと、

     

     

    となります。

    式3−1 〜 式3−3 の方程式を解くと、

     

     

    となって、2つの抵抗の比で増幅率が決まります。

     

    このように、オペアンプを使うと外付けの抵抗だけで増幅率を決められますので、非常に使い勝手の良いことが解ると思います。

     

     

    3.3.バイアス電流の誤差要因を避ける

     

    以前にも述べましたが、オペアンプの入力トランジスタのベースに流れる電流があって、入力端子に僅かな電流が流れます。

    図3−2 の回路で、R1 と R2 が小さい場合はあまり問題ありませんが、大きい場合は出力電圧に影響を与えてしまいます。詳細は後で述べますが、R1とR2が10KΩ以上になる場合は影響を与えると考えた方が良いでしょう。

    バイアス電流の影響を避けるために、「+」端子に 図3−3 のように抵抗 R3 を挿入します。

     

     

     

    抵抗 R3 は、「+」端子と「−」端子から見た抵抗値が同じになるように設定します。即ち、R3 は R1 と R2 を並列にした値となります。

    例えば、 R1=10KΩ、R2=100KΩ の場合は並列の値が 9.09KΩ なので R3=9.1KΩとなります。

     

     


    (知恵の小袋)

     

    反転増幅器の原理はいかがでしたか?

    ところで、増幅率がたとえば−10倍としたときに、0.1Vの電圧を反転増幅器に印加すると出力はどうなるでしょうか?
    計算通りだとすると、−1Vになりますね。

    では、オペアンプの電源が片電源タイプ(つまりマイナス側の電源がない)で10Vの場合はどうでしょう?
    出力はやはり−1V?   

    答えは、0〜0.5Vの飽和領域の電圧です。

    理由は簡単で、電源電圧が0〜10Vという片電源なので、オペアンプがいくらマイナス電圧の出力を出そうとしても、原理的に不可能なわけです。
    だから、精一杯下がった0V付近となるわけですね。

    ここで、反転増幅器は両電源専用なの? と思った方は半分正解で、半分不正解です。

    両電源で使うのがもっとも計算しやすく分かり易いのですが、どうしても車のバッテリーのように片電源しか用意できないという場合も多くあります。

    そういう時は、増幅の基準電圧を変更することで対応します。
    つまり、両電源のときであれば接地(=0V)に接続している+端子に、片電源電圧を抵抗分圧した固定電圧を印加します。

    たとえば+端子に5Vを加えておくと、仮想的に5Vが計算上の0Vと同じ役目をします。

    入力が4.9Vだとすると、仮想的な0Vである5Vより−0.1Vとなるので、計算上の出力は―0.1V×−10倍+5Vオフセット=6Vとなります。

    反転増幅を使う場合には、基準となる+端子の電圧をどうするのかがポイントになるので、考え方をよく覚えておきましょう。

      

 

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