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パルスモータ駆動回路の製作 その1

(執筆:吉澤 清) 




    ■概要

     パルス・モータ(ステッピング・モータとも呼ばれる)は、フィードバック制御なしに、定速回転制御や、回転角の位置決めが可能であるため、機構系の制御のために、多方面で応用されています。

    身近な例としては、プリンタやスキャナ等が挙げられます。ロボットの駆動用としても使用されます。いまや無くなりつつあるようですが、フロッピーディスクのヘッド駆動用にも使用されていました。

     模型用のブラシモータは、電圧を加えるだけでも回転してくれますが、複数の巻き線を持つパルス・モータを駆動するためには、何らかの制御回路が必要となります。

    今日では、そのための制御回路として、一般的にはワンチップ・マイコンが使われます。

    また、各巻き線を駆動するためには、アンペア・オーダーの電流を制御するドライバ回路が必要となります。

     本稿では、パルス・モータの駆動に必要な、これら2つの要素を兼ね備えた、エレラボドットコムのドライバー回路内蔵マイコンモジュールを用いて、パルス・モータを駆動する実験を行いたいと思います。

     

    ■使用するパルス・モータについて

     一部の模型用モータを除き、モータという部品は、メーカに発注して納入して貰うもののようで、(ロボット工作専門ショップなどを除くと)個人での入手は、必ずしも容易ではないようです。

    ここで使用するモータも、プリンタのヘッド駆動用に使われていたものを流用しています。

    以下は、モータ本体に記載されていた、モータの仕様です。

     型名 : CBA45−01101

     メーカ : TOKYO ELECTRIC CO., LTD.

     駆動電圧 : 3V

     巻き線抵抗 : 3.5Ω

     ステップ角 : 1.8度/ステップ

     

     CBA45−01101は、直径が55mm、長さが48mm(取り付け用ベースは57mm×57mm)の外形を持つ、2相パルス・モータです。

    ステップ角が1.8度なので、モータが1回転(360度)するために200ステップを必要とします。

    モータ自体に記載された仕様以外の詳細は不明です。

     図1に、CBA45−01101のコネクタへの各巻き線およびコモンラインの接続図を示します。

    仕様が不明であるため、各巻き線の呼称等には、便宜上、仮に決めたもの(A相,B相等)を使用しています。

     



     

    ■パルス・モータの1相励磁駆動

     ここでは、パルス・モータをいちばん基本的な1相励磁駆動により動作させます。

    2相パルス・モータは、A相,B相,Abar相,Bbar相の4つの巻き線を持ちます。

    これらの巻き線に順に電流を流すことにより、モータはステップ角(1.8度/モータにより異なる)分ずつ回転してゆきます。

    巻き線に電流を流す順序によって、モータの回転方向は変わります。

     図2に回転方向を時計回り(CW)とする場合と、反時計回り(CCW)とする場合の、1相励磁駆動時の駆動波形を示します。



     

    図の右端に、各相に対応させている、マイコンモジュールの出力名と、マイコン(ポートC)の出力名を示します。

    尚、これら駆動波形は、各相の巻き線に電流を流すか否かを示しており、波形がHの場合には電流を流し、波形がLの場合には電流を流さないことに対応します。

    ちなみに、波形が崩れる可能性はあるものの、マイコンモジュール出力の電圧波形は、ここに描いた波形を反転した形に、マイコン(ポートC)出力の電圧波形は、ここに描いた波形と同じ形になります。

     また、回転方向(時計回り/反時計回り)に関しては、ここでは、モータの出力軸の方向から見た方向として規定しています。

     

    ■使用するマイコンモジュールに関して

     PIC16F690マイコンモジュール(8ch×25V0.5Aドライバー内蔵)は、エレラボドットコムで販売している株式会社ヌマタR&D製のコンパクト(30mm×39.5mm :参考値)に組み上げられたマイコンモジュールです(商品番号:040−1)。

    使用されているマイコンは、マイクロチップ社のPIC16Fシリーズの中でも、比較的新しい品種であるPIC16F690で、ポートCにMOS FETによる25V0.5Aのドライバー(8回路)が接続されています。

    嬉しいことに、使用されているMOS FETはかなり高速スイッチングが可能なもののようです(取り扱い説明書4頁を参照)。

    5Vのレギュレータも内蔵されており、ドライバー回路の電源が7V以上である場合には、PICマイコンの電源をドライバー回路側から供給することも可能です。

     マイコンの周辺に、ディスクリート回路で8チャンネルものドライバ回路を組もうとすると、やたらスペースが必要になるものですが、このモジュールでは、表面実装部品を使うことにより、それをコンパクトにモジュール上に収めています。

    MOS FETにON抵抗の低い製品が使われているものの、集積度が高いゆえに発熱への配慮は必要で、取り扱い説明書においても、各CHに流すことができる電流の最大値は0.5Aであるものの、8CHで流すことのできる電流の総量は2A以下に収めるよう、規定されています。

     尚、パルス・モータを駆動する場合には、すべての巻き線を同時に駆動することは無いため、この制限に触れることはありません。




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