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超音波信号の可聴化回路の製作

 

その1

 
(執筆:吉澤 清)



    ■概要

     本稿では、エレラボドットコムの「超音波受信モジュール」を用いて、人間の耳には聴こえない音(超音波)を可聴域の信号に変換するする回路を製作します。

     

    ■動作原理

     周波数変換には、ラジオ受信機等でも使われている、ヘテロダイン法を使います。

    例えば40KHzの正弦波と38KHzの正弦波を掛け合わせると、2つの信号の差の周波数(この場合は40KHz−38KHz=)2KHzの正弦波と、2つの信号の和の周波数(この場合は40KHz+38KHz=)78KHzの正弦波を、混合した信号が得られます。

    この混合信号より、LPFによって低い周波数の信号のみを取り出すと、2つの正弦波の差の周波数を持つ2KHzの正弦波のみが得られます。

    この方法により、40KHzの超音波より、可聴域の2KHzの信号を得ることができます。

 

 

     

    ■回路について

     本機の回路図を以下に示します。


 

     超音波受信モジュールは、+電源(1番ピン),検波前信号(3番ピン),GND(5番ピン)の3本のみを接続します。電源には5Vを供給します。

    使い勝手の良さを考えて、本機では超音波受信モジュールを立てて実装していますが、実際に製作をされる際には強度に注意をして下さい。

     dsPICへのアナログ電源(AVDD,AVSS)は0.1μFと100μFで、ディジタル電源(VDD,VSS)は0.1μFと220μFでバイパスしています。

    ディジタル電源に関しては、アナログ電源への高周波ノイズの回り込みを減じるために、フェライト・ビーズを介した後、更に0.1μFと10μFのOSコン(高周波インピーダンスの低いコンデンサ)でバイパスしています。

    後述するように、dsPICのコアブロックは96MHzと非常に高い周波数で動作するため、電源周りのバイパスには注意をします。

    OSコンが入手できない場合には、容量が大きめのタンタル電解コンデンサで代用が可能です。

    尚、OSコンおよびタンタル電解コンデンサは、極性を逆に接続すると破損するので、配線後に再度極性を間違えていないかチェックするようにして下さい。

     dsPICのAD変換器用の基準電圧は3Vに設定し、簡易的に3端子レギュレータにより作成しています。

    5V電源と出力との電圧差が2Vしか無いため、3端子レギュレータには低ドロップアウトのものを使用します。

    レギュレータの出力で点灯しているLEDはパイロットランプですが、同時に3端子レギュレータを機能させるためのアイドリング電流を流すという目的も兼ねています。

    LEDの品種は任意ですが、3Vの電圧で点灯するため、順方向電圧が2V前後の赤や橙のものを使用します。

    AD変換器の入力電圧範囲は、この基準電圧の設定により決まり、AN2入力の入力電圧範囲は0〜3Vの範囲となります。

     超音波受信モジュールよりの検波前出力(超音波信号出力)は、2本の10KΩ抵抗により1.5VにバイアスされたAN2入力に、0.1μFのコンデンサで交流結合されます。

    その後に続く、200Ωの抵抗と0.01μFのコンデンサは、LPFを形成しているように見えますが、実際には0.01μFのコンデンサは、AN2入力の入力容量がAD変換動作中に変化する影響を減じるために挿入されているものであり、200Ωの抵抗は、(超音波受信モジュール上の)OPアンプにより直接容量負荷をドライブすると発振する可能性があるため、それを防止するためのものです。

     ここではdsPICを6MHzの水晶発振により動作させています。内部クロックは、これを16逓倍した96MHz、命令実行速度は24MHz(1命令の実行に4クロックサイクルを消費)となります。

    内蔵水晶発振回路が6MHzで安定して動作するように、コルピッツ発振回路を形成する容量の値は33pFとしています。

    (注:発振状態を確認するために、オシロスコープのプローブを接続する場合には、この値は22pFにしたほうが良いとされています。)

     シリアルDACへのデータはSCK1,SDO1出力によるSPIデータ転送により行われます。

    MCP4822の制御には、もう1本CS信号の制御が必要ですが、このためにRB7ポートを使用しています。

    DACの出力は、120KHzの速度で零次ホールドされた信号となります。出力信号は簡易的なスムージング処理として、CRによるLPFで120KHz前後のサンプリング・ノイズを1/3(−10dB)程度に減衰させた後に、DC成分をカットして出力されています。

    シリアルDACへのデータ転送は、4MHzという速い速度で行っているため、dsPIC−シリアルDAC間の配線は極力短くします。

    信号出力は、クリスタル・イヤホン(最近は圧電素子が使用されている)で聴くには十分な大きさです。

    出力信号でアンプ等を駆動する際に、アンプ側で発振が起こるような場合には、100KHz以上の成分を十分に減衰するフィルタを追加して下さい。

     dsPICのAD変換入力電圧範囲が3Vで、シリアルDACの出力電圧範囲は2.048Vになるため、この間のゲインは0.68倍(約−3dB)となります。

     ISRコネクタは、dsPICへのプログラム用のPICkit3等を接続するためのコネクタです。

     

     

     

    ■超音波受信モジュール

    本モジュールは超音波センサと、センサより得られた信号を増幅する2段の×10倍(20dB)増幅器(トータルゲインは×100倍/40dBとなる)、そして超音波の信号強度電圧を得るための検波回路から成ります。

     これらの機能が30mm×20mmのサブボードにまとめられており、5ピンのコネクタによりインターフェースが可能です。

    検波出力を使用する場合も、検波前出力(超音波信号出力)を使用する場合も、少ない部品の外付けでマイコン(DSC)と接続することができます。

     

    ■dsPICに関して

     一昔前であれば、このような信号処理はアナログ回路により実現されていました。

    しかし最近では、信号処理がディジタル信号処理により行われる傾向にあります。

     マイクロチップ社はPICマイコンで有名な半導体メーカーですが、ここで使用するdsPIC30F3012はDSC(Digital Signal Controller)に分類されるディジタル制御/信号処理用のチップです。

    こう言うと何か難しいモノが登場したと思われがちですが、PICマイコンとの大きな違いは、処理速度がかなり高速化され、特に掛け算と足し算を組み合わせた計算(積和演算)が高速に行えるようになっているところにあります。

    これは、ディジタル信号処理を行おうとする場合には、高速で積和演算を行う必要があるためで、dsPICが16ビットのデータ幅を持つのも(通常のPICマイコンは8ビットデータ幅を採用)、同じ理由からです。

     これらの点を除けばDSCはPICマイコンと変わりは無く、実際に高速のPICマイコンとして使用することも可能です。

    尚、ディジタル信号処理を行うためには、AD変換器とDA変換器が必要となりますが、今回使用するdsPIC30F3012には、DA変換器は内蔵されていません。

    このため、ここではSPIインターフェースを持ったシリアルDAC IC MCP4822と組み合わせて使用します。

     

     


     

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