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更新2022/05/04

コイル

基本素子の中でも分かりにくい部品の一つがコイルとコンデンサではないでしょうか。
この2つの素子は、抵抗器とは異なり、時間的性質がその本質となります。
つまり時間が経つと変化するということです。
これは抵抗器にはない特性で、この時間的性質がこれらの素子を理解しにくくしている反面、いろいろな応用回路を生み出す元になります。
本章ではコイルについて説明します。

回路記号と単位


コイルの性能を表すインダクタンスは、H(ヘンリー)という単位を使います。

電流変化を抑える性質


コイルは、電流の変化を抑えるように働きます。
コイルに直流電圧を加えると、加えた瞬間の電流はゼロですが、時間とともに電流が増加して行きます。

上図はコイルに電源EとスイッチSWを取り付けた場合の回路です。
この回路のスイッチを、オンオフします。
SWオン直後は、コイルに流れる電流 i はゼロですが、時間とともに電流が増加して、最終的(無限時間後)には電流i=E/Rの値になります。
また、コイルの両端電圧Eoは、SWオン直後は印加電圧Eと等しいですが、時間とともに電圧は下がって最終的にはゼロになります。

尚、実際のコイルには巻き線抵抗と呼ばれる抵抗がコイルの中に存在し、上図のRに相当します。
Rが小さいと、最終的にE/Rという大きな電流が流れ続け、電源Eやコイルを焼損してしまう恐れがあります。
コイルを直流で使用する場合には注意が必要です。

誘導作用

コイルは、コイル内の磁界の急激な変化を阻止する性質があります。
外部から磁石を近づけて、コイル内の磁界を変化させると、磁界の変化を妨げる電流を流そうとします。
この外からの磁界の変化によって発生する現象を「電磁誘導」作用と言い、発電機などに応用されています。

また、コイルに電流を流すとコイル内に磁界が発生します。
コイルの電流が変化すると、コイル内の磁界が変化することになり、上記電磁誘導効果が発生してコイルの両端に電圧が発生します。
この現象を「自己誘導」作用と言います。

電子回路では、リレーなどのコイルをオンオフすることが良くあります。
コイルに流れている電流を急激に遮断すると、自己誘導作用によりコイルの両端に非常に高い電圧が発生します。
遮断速度にもよりますが、電源電圧の数倍から10倍程度の高圧になります。
この高電圧は、コイルを駆動している半導体スイッチなど耐圧の低い電子部品を耐圧破壊することがあります。
コイルの使用には、十分な注意と対策が必要です。

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電子回路とファームウェア専門の元エンジニアが、初心者の頃の疑問や勉強・経験で知った「そうだったのか」を2009年から書いています。 ⇒続き

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