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更新2022/06/08

マイコンとは

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マイコンまたはMCU(Micro controller unit)と呼ばれる小型ICは、現在では制御機能のある製品にはなくてはならない電子部品です。
車、飛行機、電車、ドローン、電話、家電製品、インテリア製品とありとあらゆる製品の中枢部品として使われています。
例えば、自動車には多くのマイコンが使われており、50個以上使われている自動車もあります。

名称の由来

マイコンの「マイ」は「micro」から取ったもので「非常に小さい」ことを意味しており、「コン」は「computer」から取ったもので「コンピュータ」を意味しています。
マイコンが出始めたころは、「My computer」のマイコンという略し方もありました。 そして、マイコンは汎用用途ではなく制御用電子部品として組み込まれることが非常に多く、MCU(Micro controller unit)と呼ばれることもあります。
現在では、マイコンとMCUはほぼ同義と思って問題ありません。

マイコンの構成

以下はマイコンの一般的な構成です。
マイコンの一般的な構成図

ALU(演算ユニット)

論理演算や数値演算を行う部分で論理回路の集合体で構成されています。
マイコンの心臓部です。
ALUで扱うビットの数によって、4ビットマイコン、8ビットマイコン、16ビットマイコン、32ビットマイコンなどがあります。
ビット数が多いほどマイコンの処理能力は高くなります。

メモリ

メモリには、演算前、演算途中、演算後のデータや入出力のデータが一時保存されます。
また、プログラムの格納にも使われます。
メモリには読み出し専用のものとデータを書き換えられるものがあり、前者を「ROM」(リードオンリメモリ:略してロム)、後者を「RAM」(ランダムアクセスメモリ:略してラム)と呼んでいます。
ROMは、電源を切っても内容が失われることはないメモリーで、プログラムの格納に使われます。
一方、RAMは電源を切ると内容が失われるメモリーで、演算途中などのデータの一時保存に使われます。
最近は、プログラムの格納に、「フラッシュROM」が多く使われるようになっています。
フラッシュROM はデータの書き換えが可能ですが、書き換え回数に制限があるため、頻繁にデータを書き換えることがないプログラムなどの格納に使われるわけです。

プログラム

命令コードと呼ばれる2進数の組み合わせが、メモリーに格納されています。
1チップマイコンの場合は通常「ROM」と言われている読み出し専用メモリに格納されます。
メモリーに保存されている命令コードは「アドレス(番地)」と呼ばれる番号が全てに付与されており、どのアドレスの命令を実行するかは「プログラムカウンタ」と呼ばれるパルスカウンタによって制御されます。

I/O(Input/Output)

マイコンの内部と外部の信号の橋渡しをする回路で、マイコンの端子に接続されています。
これらの端子は「ポート」とも言われています。
マイコンは端子数が少ないため、各端子はデジタル入出力と他の色々な機能を兼用することがほとんどです。
どの機能を使うかはプログラムから必要に応じ設定するようになっています。

クロックなどの制御部分

マイコンを動作させるための内部用制御部分です。
プログラムを管理するプログラムカウンターやクロックと呼ばれるパルス発振器などがあります。

内部バス

上記の各ブロックのデータやプログラムなどは、内部バスと呼ばれる8ビット、またはそれ以上のビット数の信号線で、相互にやり取りされます。

CPU(Central Processing Unit)

ALUと制御部分・一部のメモリーを合わせて、CPUということがあります。
パソコンでいうと、インテルのI5やI7などがCPUです。
マイコンの場合は全ての機能がICの中にまとめて入っていますが、パソコンの場合はCPU、メモリー、プログラム用メモリー、入出力装置などがマザーボードと呼ばれる制御機能のある基板上に別れて実装されています。

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電子回路とファームウェア専門の元エンジニアが、初心者の頃の疑問や勉強・経験で知った「そうだったのか」を2009年から書いています。

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