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更新2022/05/04

定電流ダイオードを使う

LEDは超高輝度、低消費電力、小型、長寿命という特徴のものが多く商品として生産されるようになったことから、照明用途にも多く使われ始めています。
フィラメント方式ランプなどに比べて大変優れていると言えます。
ただし、長所の多いLEDですが、照明用途ではいくつか注意をするべき点があります。
それはLEDに流れる電流の安定性です。

明るさと電流の関係

LEDの光束(=明るさ)は下記グラフのようにLEDに流れる電流と密接な関係があります。

もし、電池(照明用電源)の電圧がいろいろな理由でフラフラすると、LEDに流れる電流も同じようにフラフラしてしまい、結果として明るさもチラチラ変化してしまうことになります。
照明がチラチラしたり、電池の電圧が下がってきて暗くなったりしたら困ってしまいます。
そういう現象が起こると困る場合は、LED駆動電圧を補正し結果としてLED電流を定電流化するか、直接的に電源電圧が変化してもLED電流が一定になるような定電流方式が取られます。

電流安定化の方法

たとえば駆動電圧を補正する方法の一例として、PWM出力できるマイコンを使うと、システムを比較的簡単・安く作ることができます。
というのも、最近のマイコンには、PWM出力と電源電圧を読み取るA/Dコンバータを標準搭載したものが多くなってきており、それらの機能を使ってソフトウエアで駆動電圧の変動を補正する方法です。
PWM方式は、大電流を楽に扱いたい時や、コストを多くかけたくないときなど、システムに追加する費用が極めて少ないコストパフォーマンスの非常に良い方法です。
そして、この方法の最大の利点は、PWMのディーティ比を変えるだけでLEDの明るさを自由に変更できるということにあります。
ただし、ノイズ源になるので周囲に影響を受ける可能性のある機器がある場合は対策するなどの注意が必要です。

もう一方の定電流方式は、定電流を実現するために定電流回路を組むか、定電流ダイオード(CRD)を使います。
定電流回路は、定電圧回路の裏返しのようなもので、誤差を多少許容できるのであれば、専用の定電流回路でなくても定電圧IC回路で作ることができます。
尚、定電圧回路を使ったタイプは誤差も大きいことが多いので、使用用途で許容できるかどうかの検討が必要です。
このように電子回路を組んで定電流化することでLEDの明るさがちらちらしないようにすることができるのですが、多少とはいえいくつか部品を集めて回路を制作するのも面倒です。
実は、半導体の中にはそれ自体が定電流という特性を持った素子があります。

定電流ダイオード(CRD)で定電流化


(定電流ダイオードの回路記号例)
この定電流ダイオードCRDは、部品自体の電流・電圧特性として電流を一定値にする機能を持ったものです。
ただし、よくあるCRDは1ケあたりの定電流化できる電流値が20mA~30mAと超高輝度LED1ケを制御するので精一杯と、定電流化できる電流値が低いため現在のところ数十Aなどの大電流用途には向きません。

定電流ダイオードの特性概要

さて、このCRDという定電流ダイオードは、2000年以前は照明用にはほとんど使われていませんでした。
しかし、最近はその状況が変わってきました。
超高輝度LEDの出現で、それにつられて?CRDの許容電流が照明用LEDに対応するように大きくなってきたのです。
抵抗の代わりに接続すれば、簡単に電流を一定値に制御してくれることから、電源電圧が変動するが簡単に電流を安定化したい用途などで多く使われるようになってきました。


CRDの特性は上記のようになります。
ある範囲の電圧に対して電流がほぼ一定になっています。
この電圧範囲で使う限り、流れる電流は変わらないということになります。
具体的には、定電流にしたいLEDと直列接続して使います。
そうすると自動的にCRDの特性に従って電流が一定値に落ち着きます。

1ケ2ケ程度のLEDを点灯させるのにCRDは大変便利な素子です。
しかし、CRDの使い方は簡単ですが決して万能ではありません。
簡単だからと、何も考えずに適当に接続し、CRDの能力を超えた電圧が印加されてしまうと、CRDが対応できず壊れてしまいます。
もちろん同時にLEDも壊れます。
使う場合は、CRDの最大許容電圧や制限したい電流値に注意を払いましょう。
そして、CRDは抵抗器に比べると部品単価が何十倍もするので、場合によってはコストにも注意が必要です。

CRDが得意な状況を簡単にまとめると
 「比較的 電源電圧が高い」
 「電源電圧が不安定」
 「LED電流が小さい」
 「コストをあまり意識しない」
というような場合です。

参考:CRDの基本

(最新)

(中の人)


電子回路とファームウェア専門の元エンジニアが、初心者の頃の疑問や勉強・経験で知った「そうだったのか」を2009年から書いています。 ⇒続き

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