当サイトのコンテンツはご自身の判断と責任においてご利用ください。営利目的の利用は固くお断りします

更新2022/05/04

RS232Cの基本

本章では、いまだにFAやカスタム装置などによく使われるRS232Cについて簡単に説明します。
RS232Cは、一昔前のパソコン通信で主役だった規格で、ほとんどのパソコンがRS232Cで通信できました。
最近は、USBに取って代わられたRS232Cですが、組込系やFAではその簡単な扱いから現在でも良く使われています。

1.RS232Cの概要

RS232Cは、アメリカの工業団体EIAが定めた通信規格のことをいいます。
呼称名のRS232は、通称で正式名称はEIA-232と呼ばれます。
ただ、この通称のほうが業界には通りがいいので、今もほとんどの場合においてRS232で呼ばれています。
業界一般には、RS232に規格バージョンの「C」をつけたRS232Cと呼ぶことが普通です。

RS232の規格には、バージョンAからDまでありますが、Dは規格内容が高級なせいか一般にあまり普及しておらず、バージョンCが最も多く使われています。

規格として規定されているのは、電気信号の特性・インターフェース部分(コネクタなど)の機械的特性・相互接続の機能となっていますが、あまり難しいことは考えなくても数m程度であれば、市販のICと適当な電線を配線するだけでRS232C通信ができます。
この製作する上でのお手軽さは、簡単に通信したい場合などは大きな利点となります。

2.RS232CのDTEとDCE

PCなどのマスター側をデータ端末装置(DTE)、モデムなどの周辺装置をデータ回線終端装置(DCE)と呼びます。
あまり聞きなれないですが、定義上はこのような分け方となります。

3.RS232Cの通信路

通信する上でありうる配線には以下の3通りがあります。
 ・単方向(Simplex)
 ・半2重(Half duplex)
 ・全2重(Full duplex)

単方向は、送信機から受信機へデータが一方向一回線のみあるような場合をいいます。
データを送りっぱなしで受け取る必要がない場合などで使用されます。

半2重は、送信機と受信機をペアでお互い持っていますが、回線が1つしかないため、自分が送信している場合は相手からのデータは受信できません。
トランシーバーということですね

全2重は、単方向が2回線ある形で、常に独立して送信・受信ができる形式です。
相互にデータのやり取りをする場合は、原則全2重となります。
この用語は、RS232以外の通信方式でも使われる用語なので覚えておくといいでしょう。

4.コネクタ

この規格で使用するコネクタは、Dサブ25ピンとDサブ9ピンがありますが、現在は小型のDサブ9ピンが主流です。

以下は実際のDサブ9ピンの外形です。
メス
Dサブ9ピン メス外形
オス
Dサブ9ピン オス外形
通常は、これらに外形ケースなどが付き、良く見るケーブルの形になります。

また、Dサブ9ピンは以下のように番号が振られており標準化されています。
メス番号
Dサブ9ピン メスのピン番号
オス番号
Dサブ9ピン オスのピン番号

5.配線例

配線には、色々なパターンがあります。
UARTの配線をそのまま使うことも多いので送信・受信・GNDだけの制御線を省略した3線方式が多く使われます。
一応、RS232Cにはデータやり取り用のタイミング制御配線が規定されていますが、タイミング制御をする必要のないシステム(流しっぱなし)も多いのでよく省略されます。

(PCと周辺装置を接続する場合)
RS232C配線図1
ピン間接続は同じピン番号同士を接続し、送受信ピンだけの場合は2ピン同士、3ピン同士、5ピン同士で接続するだけです。
そのため、PCと周辺装置間用のケーブルとして、ストレートケーブルと呼ばれるものが売られています。

(PCとPCを接続する場合)
RS232C配線図2
PC同士や周辺装置同士を接続するときは、ストレート接続だと送信・受信信号が衝突してしまうため、2番及び3番はお互い交差するように配線されます。
この交差から一般的には、そのためのケーブルをクロスケーブルまたはリバースケーブルと呼びます。

(延長ケーブル)
RS232C配線図3
その他に、ケーブルの長さを延長したいときに使用する延長ケーブルと呼ばれるものがあります。
こ延長ケーブルは、配線はストレートケーブルと同じですが、コネクタの雌雄がメスーオスとなります。

RS232C用のケーブルは、ほとんどは上記の組み合わせですが、なぜか時々コネクタのオスメスが上記と異なる機器も存在します。
自分が使う装置のコネクタ形状と内部配線を確認した上で、使うケーブルを自作するか調達しましょう。

6.電気的特性

RS232Cは、電気的な取り決めもされています。
しかし、RS232Cの回路を一から自作する場合を除き、変換ICを使えば勝手に変換するので、電圧などは気にする必要はないでしょう。
数値は参考程度にご覧ください。
・受信側インピーダンス:3kΩ~7kΩ
・ケーブルの容量+負荷の容量:2500pF以下
・送信側出力電圧:±3V~±15V(接続時)、25V以下(開放時)
・’1’判定電圧:-3V以下
・’0’判定電圧:+3V以上

7.通信フォーマット

通信フォーマットは、UARTと同じく調歩同期式と呼ばれる方式で送受信を行います。
UARTと同じです。
フォーマットについてはUARTの基本の説明をご覧ください。

(最新)

(中の人)


電子回路とファームウェア専門の元エンジニアが、初心者の頃の疑問や勉強・経験で知った「そうだったのか」を2009年から書いています。 ⇒続き

ページの先頭へ戻る
シェア
Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加